製品: バンダイ HGUCシリーズ
サイズ: 1/144スケール
使用頻度:2025.10/02完成
備考:武装にフリースタイルバズーカを追加
ガルスJをレズン・シュナイダー機のパーソナルカラーにて仕上げました。
「逆襲のシャア」をはじめとする複数の作中で、第二次ネオジオン戦争のシャアの陣営で活躍する女パイロットのレズンですが、その経歴はなかなかに不明です。「戦場では好きにやってる」という言い回しのイメージがあるので、マシュマーやキャラ同様にファッション自由度が異常なアクシズ帰還兵の輩なのか? とも。
彼女の軍歴を深読みしてか、もしくはシャアのもとへ参じてから乗ったバウやギラドーガそれ以前の機体か? そういった深読みや空想の産物でございます。
重装甲で大柄なモビルスーツなのが素晴らしいんですが、純正武装のエネルギー・ガンはコンパクトに過ぎ火力が貧困そうなうえ、破滅的に両手ホールドを構えづらいので、もっとらしい見栄えを求めてフリースタイルバズーカを追加しました。シャアいはく「彼女はどちらかと言えば対艦戦のエキスパートだ」との事らしく「逆襲のシャア」ではラー・カイラムを、「ジョニーライデンの帰還」ではアーガマ級ニカーヤの危うい場面を発生させる活躍をします。なのでそれに準じた火力の装備を携行している演出を狙っています。
◇キット構成への工作点
頭部ブレードアンテナの鋭利化工作。ぜい肉フラッグを除去したのちに両側面・後端を研いでゆく手法で尖らせています。
顔面の造形を彫り直し。複雑でシャープなモノアイスリット形状なのですがスミ入れを流すには彫りが浅いため深さをつけてあります。
後頭部の左右側面にドリル工作による三連開口モールド追加。
モノアイをHアイズ使用によりクリアレンズ化。2mmのドリル開口により掘り下げた穴に1.8mmのレンズパーツを装着しています。無色クリアーのレンズを蛍光ピンクにて塗装(裏面シルバー)した発色です。
モノアイレール部の余剰パーツで視線の向きが異なるモノアイアタッチメントを用意。 このガルスJはモノアイ可動構造が一応あるのですが、動いたのがわからないほどスイング幅が小さく顔の表情に変化がつけられません。なので余剰パーツを利用しての差し替え式でパターン違いの顔を再現できるようにしました。頭部の外装をはずして黒いモノアイ部だけを入れ替える方式です。 向きは 正面/左向き の二択パーツ式。 ガルスはザクⅠのように 正面中央で視線を遮るフレームがあるのでモノアイがはっきりみえる位置にあわせたものを追加で用意しました。
胸部の左右前面から露出するミサイル×4の弾頭部にマルイチ造形追加。コトブキヤMSGのマイナスモールド(ランナーP-101)を使用。
前腕の外側面ヒジまわりにある4連の穴造形を実際に貫通開口。貫通寸前に開口形状をナイフで回転カッティング加工もしてあります。
左手の親指の肉抜きを補填工作。 指の可動する基部まわりですが小さく空洞あり。さして目立たない手抜き造形ではありますがポリパテで埋めて磨き完全になくしました。
ヒザ装甲先端にパネル造形追加。コトブキヤMSGの角モールド2(P-125)を使用。
ヒザ装甲側面にドリル工作による三連開口モールド追加。
スネまわりのレッグスカート造形の形状を輪郭彫り。曲線美をうまく整合させた脚部造形ですが外装としてまったく継ぎ目がないのでおそろしくデカい装甲を一体で金属成形したようにみえます(大河原画のザクみたい)。 もうちょいメカらしい部品構成がみえるよう、ふくらはぎのボリューム/スネまわりを防護するスカート形状 の境界を線引きする彫り造形を追加しました。 またこれを彫りつける一方で、キットのパーツ合わせ目になっている後方側の合わせ目は完全に接着処理して埋めています。
スネと足首をつなぐフレームのパーツの側面をマルイチネジ造形のパーツで空洞ふさぎ(画像4) 。 横向きのシリンダー形状をしているのですが単品のパーツとして成型される都合で空洞になっており、円柱形状になるべき部分が筒のようになっています。内部(底)にはいちおう意地のようにネジモールドが造形してあるのですがどう考えても厚みの無い中空造形が露出した変な見た目なので両脚ともきちんと塞ぎました。コトブキヤMSGのマイナスモールド2(P-111)を左右両面に使用。
エネルギー・ガン(純正銃器)のミサイルポッド部の横長形状の後方に横長排熱ダクト造形を追加。コトブキヤMSGのダクトノズル3(P-126)から使用。 形状とサイズの異なるものをふたつ並べた造形で、同時出品したもう一体のガルスとは差異をつけています。
武装にフリースタイルバズーカを追加。コトブキヤウェポンユニット18。グリップ部が大きく可動するので肩にかついでのポージングも容易なバズーカ。銃身後部が上下に展開するギミックもあります。 砲口部が大きいわりに内径が浅く板状の平面が露出するので、コトブキヤMSGの丸モールド(P-120)を砲口の正面に貼りつけて見栄えを改善。 製品仕様のままではグリップサイズが違いすぎて持てませんが、そこはこのガルス用にフィッティング工作済みです。
また、私のこれまでの出品作例にもあるようにメッキビーズ使用による細部ノズル追加工作とステンレス針を打ち込んでのピン打ちリベット追加工作もおこないました(彩り追加の工作)。
◇全体の基本的な製作は 各部接着を経ての合わせ目処理&パーティングライン処理・サーフェーサー・ガイアカラーによる塗装(つや消しコート含む)。 ガンプラを完成製作させるスタンダードな工程でおこなっています。 スミ入れはタミヤのエナメル塗料流し込み。色はブラウン系を使用しています。 スミ入れ塗料が定着しにくい形状の部分などには0.05mmマーカーでのふき取り手法も使用しています。
塗装パターンは「逆襲のシャア」に登場するレズン・シュナイダー機のギラドーガを参考に配色をあてはめ。 基本色を濃いブルー系、胴体まわりの重装甲部と足首まわりにブラック寄りのダークブルー、動力パイプやバーニアノズルはイエロー系.。
フレームや関節類の塗装などにはグレーではなく調色したガンメタルを使用。 腰回りのインナーは外装色からこのフレーム色に変更。 そのほかにも 両肩のアーマーの内側/前後左右スカートアーマー/レッグスカート内側 などの覗きこんだら見える内径もこのフレーム色でまとめています。 色調は純色グリーンを混ぜての緑寄りなガンメタル。 腕部伸縮シリンダーまわりや股やヒザのインナーフレームにはパールカッパーを使用。脚の裏アンカーはスターブライトプラス(ゴールド)。 これらメタル系は外装部と違いクリアー表現です。
銃器類は 銃口/機関露出部/外装/グリップ などの部位単位に配色を細分化。
ビームサーベルはほかの出品作例同様、お約束の蛍光グラデ塗装です。
◇以下、カラーガイド(※比率の%は曖昧な感覚的数値です)
ブルー部 アイスコバルトブルー90% ブラック10% シャドー部にブラックで暗くした色を使用
ダークブルー部 ウルトラブルー80% ブラック20% シャドー部にブラックで暗くした色を使用
イエロー部 オレンジイエロー70% ホワイト30%
ブラック部 ブラック80% ホワイト20%
関節などのガンメタル部 シルバー60% 純色グリーン20% ブラック20%
フレームのインナー色 パールゴールド100%(下塗り)→パールカッパー100%(コーティング)
足裏ゴールド部 スターブライトプラス100%
サーベル色 発生部 ホワイト100%→全体 蛍光イエロー100%→先端 蛍光ピンクを混ぜてオレンジ寄りに のグラデーションパターン
◇細部表記に使用した市販品デカールは主にハイキューパーツ製。RBコーションデカールを主体に使用。 全体的に暗い配色なのでホワイトの書体を使用。 追加バズーカ後部にホワイト部があるのでここにクラウドデカールのグレー書体もわずかに使用しています。
頭部の左右/肩上部の可動フィン/肩前面/腰アーマーまわり/スネまわり に使用してあるホワイトの幾何学模様はHJラインデカール。
バンダイ製の水転写デカールも使用。
1.ネオジオンエンブレム/略章 使用箇所は 頭部の左面/右肩前面/腰リアアーマー左側/左脚側面
ナンバリング表記「05」あるいは「5」はTRデカールです。 右肩前面/右脚側面/バックパックメインスラスターのフィン先端
◇自作品の水転写デカールも数種を使用。 クリアデカールにレーザー※雷射相關產品(需進、出口文件),因此無法協助購買。プリンターで印刷したもので水ににじむ心配なく使用できるものです。 定着にはかなり強めな軟化剤(10秒もつけるとデカールが溶解するスーパーハードタイプ)を使用。
1.機体型式「AMX-101」(ダークグレー)。 ギラドーガ等ネオジオン系の公式表記にあわせ斜体表記にて作成。所属表記もあわせて「NEO ZEON AMX-101」とした表記デザインにしてあります。 使用箇所は 頭部の左面/右肩前面/右脚側面/左脚側面/腰リアスカート
2. CAUTION・諸々のお約束デザイン(歴代の自作デカールの累計)。暗い機体カラーなので発色が期待できないので使用箇所は少数です
◇機体各所にビーズ工作及びピン打ちによるメタル調細部ディテール工作もしてあります。色は主だった箇所にジオンらしくみえるようゴールドメッキの2.0mmを、細部の口径の小さいものにシルバーメッキ(ロジウム)1.5mmを使用するパターン。
ピン打ちリベット工作に使用しているのは有頭5号針(針の軸側0.6mm)です。針の太さとドリル開口穴のサイズをあわせ、接着なしにスナップフィットさせて固定しています
◇機体本体以外の付属品は
バズーカ(追加品) コトブキヤMSGのフリースタイルバズーカ。 グリップ部が大きく可動するほか銃身後部が展開するなどのギミックつき。 そのほかグリップと変更できるアタッチメントとして3mm径のサイド開口部にとりつけられるジョイントあり(機体と一体のキャノンにできる。ただしガルスJではこの使い方に適した開口部がない )。
エネルギー・ガン このガルスの純正銃器。全長が短く、側面へ横長に広いミサイルポッドがついたかなり変わった外観の武装。右手で保持するグリップが横向きに生えており、可動式フォアグリップのほうが下面についているという奇抜な保持スタイル。
ビームサーベル×2 グリップも×2。 収納部は腰のサイドスカートアーマー(左右) or バックパック下部&リアスカート上部の横穴 の選択式。 グリップ色を純正のグレーではなくボディーのブルーにて仕上げたので擦過ダメージを配慮し、完成後いちども機体に内臓装着したことはありません。
手首バリエーションは純正手首。 武器保持用握り手(右)/フィンガーランチャー式の手首(左) 全合計2個。 左手は射撃スタイルに差し替え式で指4本の別形状も付属しています。
肩部内蔵ミサイルポッドの形状アタッチメント(左右) 開/閉 の形状選択差し替え式で再現。 取り外しでは縦長の上部を押し込んでやると下部が逆に起き上がり軽い力で簡単にはずせる仕組み。
アームパンチ伸縮部アタッチメント(左右) ボトムズ同様マッスルシリンダーが伸縮する構造が差し替え式。左腕用に動力パイプが伸びたパーツもあります。 変更の際には前腕部の装甲をはずして組み変えます。
モノアイアタッチメント ランナー重複パーツを有効活用したもの。視線を 正面/側面 とで選択できます
左腕外装余剰パーツ ランナー重複パーツ。いちおう塗装完成させてあります。左腕の伸縮再現で動力パイプを差し替えるのが面倒なようならば 伸/縮 の二形態を組んでおき、この外装ごと交換してしまうようにしてしまうとよいでしょう。
ホイルシール(未使用)
組立説明書(ガルスJ)
組立説明書(フリースタイルバズーカ)
以上です。
ダフルゼータ系統のネオジオン機って製品化がかなり後回しにされてきましたから今後に期待できるんですかね。これまでは人気キャラの乗っていたものが優先的に製品化されてきましたがガゾウムとかジャムルフィンとか出るなら令和での造形解釈が見ものです。
シャアのもとで好き勝手に暴れたレズン・シュナイダーの軍歴を深読み・考察したいという方々にこそどうぞ。