函入り、本体にパラフィン紙カバー。
見返しに版画作品掲載。
元々挟まれていた高村光太郎・智恵子抄関連資料2点もお付けします。
全体的に経年によるヤケがあります。
函に部分的にシミ・スレ・数ヶ所に小裂けがあります。
また本体見返しにヤケがありますが、他は特に問題はありません。
●表紙見返函上貼 雲州安部栄四郎特漉和紙使用
(表紙・見返し・函上貼には、雲州の和紙作家・安部栄四郎による特漉和紙を使用)
●内容
谷崎潤一郎の短歌に、棟方志功が板画を添えた豪華作品集。
戦後日本文学と民藝・版画芸術を代表する二人によるコラボレーションとして
知られ、谷崎の雅趣ある歌世界を、棟方志功が力強い墨線と大胆な構図で
視覚化しています。
函・題字・見返しに至るまで棟方志功の板画意匠が展開された凝った造本も魅力で、
草花文様や抽象的線刻を配した函装幀は存在感があります。
貼込板画図版 全24枚入。各歌に対応した板画が一点ずつずつ収められ、
版画作品集としても見応えのある構成。
収録作では、「奈良薬師寺」「平安神宮にて」「北白川」「錦帯橋の上」など
具体的な地名や風景が詠み込まれ、薬師如来三尊、糸桜、京の姉妹像、橋上の
人物群像などを描いた板画を収録。
巻末には、若き頃より棟方志功と深い交流を持った美術評論家・海上雅臣 (神林良吉) 司会に
よる、谷崎潤一郎・棟方志功による対談も掲載。
●主な目次
第1部
・日光菩薩月光菩薩侍り給ひ薬師瑠璃光如来立ちたまふ
・やまざとは桜吹雪に明け暮れて花なき庭も花ぞちりしく
・姉妹が袖打ちかけし欄干に緋鯉真鯉らけふもつどひ来
・糸桜ゆたにしだれて菅の根のながき春日をなほ夢むらん
・渡辺のたをりの家に夏来ると北白川にほとゝぎす啼く
・庭先の石のはさまに蜥蜴の尾みえかくれして山梔の咲く
・彼岸会や京の在所の姥たちがまゐる野路に曼珠沙華咲く
・おくれなば尼にならんといふ人と嵯峨野の虫をきくゆふべかな
・茅渟の海の鯛を思はず伊豆の海にとれたる鰹めしませ吾妹
第2部
・よき人のよき衣つけて寄りつどふ都の嵯峨の花ざかりかな
・三人の姉と妹ならびて写真とらすなり錦帯橋の上
・かかる世にあふこそ憂けれよき時にわが父母は失せたまひけり
・母恋ふとわれは来て泣く三月堂の不空羂索観世音のお前に
・願はくは空に人工衛星の翔る日に生きてあらばや
対談
・歌々板画巻をめぐって / 棟方志功・谷崎潤一郎. 司会:神林良吉 (現・海上雅臣).