このバイクはクロモリだ!
実際の素材はアルミでできている。アルミなのだが、TIG溶接の部分があまりにもきれいに
処理されているので、同じデザインのC40と並べられたらラグに気が付かなければ見分けが
つかないほどだ。
ロードバイクのフレームの進化を
クロモリ→アルミ→カーボン
とするのならば、このバイクは水から這い上がった両生類のごとく、クロモリから進化したての
アルミバイクなのだ。
DREAMのフレーム特性
素材感:アルミフレームなのにクロモリのしなやかさを再現
溶接処理:TIG溶接部分も美しく、同じデザインのC40と並べてもラグに気づかない
スローピングなし:トップチューブはホリゾンタルで長め → しなりを生み出しやすい
踏み込み感:カンカンした硬さはなく、踏み込む力を「タメ」に変えて加速
振動吸収:後ろ三角とフォークをカーボン化 → 衝撃をやわらかく吸収
ペダリングの楽しさ:普段95rpmでペダル → ギアを一枚重くして89rpmにすると、力のタメ
を実感できスピードが伸びる
乗り心地の印象:少ない力でスピードが伸び、踏み込みの感覚がしなやかで楽しい
最近のアルミバイクは進化がだいぶ進んだせいか、肉薄+大口径、性能をカーボンに引けを
取らないようなデザインにすることが多く、高剛性で軽くパリッとした乗り味が特徴的だ。
コルナゴのA2RやMONDOなど、近年のアルミバイクは四角い断面積の大きいフレームを採用
することによって、フレームの性能を上げている。
しかし、アルミフレームの性能はその方向が正解なのだろうか?
今回インプレッションしたDREAMが発表された2000年ごろは、まだクロモリ、アルミ、黎明期
のカーボンが世間に流通している時期だった。プロチームでも、エース級の選手だけはカーボンバイク
をあてがわれ、アシストはクロモリでもアルミでも、気に入ったバイクを乗っていた。
その中でアルミバイクの可能性は追及されていたが、軽くて硬くする方向に進化していった。
クロモリバイクの方が良い意味で柔らかく、プロのレースで150~200㎞走った後にゴール前で
もがくには、疲労をためずに駆け抜ける必要がある、クロモリはそれに長けていたようだ。
最近のアルミバイクは固くて振動吸収がクロモリよりも控えめなので、ライダーはゴール前で
疲れてしまっているのだ。それを改善しようとしたのが、後ろ三角(とフォーク)をカーボン
にして、振動をカーボンで吸収し踏み込みの軽さは前三角のアルミで演出するハイブリットなやり方だ。
そんなアルミの印象を持ちながらこのコルナゴDREAMに乗ってみると、全く違うことがすぐに
わかる。アルミバイクにありがちなカンカンした反応や、踏んだら進む硬い踏み込みは感じられ
ないからだ。どちらかというと、しっとりと振動を吸収して、しなりで進むようなまさに「クロモリ」
の特性を備えている。
フレームデザインもスローピングではなく、トップチューブはホリゾンタルであるから、各チューブ
が長いため、よりしなりを生み出しやすくなっている。このしなりを「力が逃げる」と捉える
向きもあるが、このバイクに至っては「力のタメ」と捉える方が正しい。
普段95rpm程度のケイデンスでペダリングしているとすると、ギアを一枚重くして89rpm程度で
ペダリングしたくなる。そうすると、この「力のタメ」を実感でき、スピードが伸びるというのを
体感できる。するとだんだんと体が前のめりになり、ペダルに体重が乗り、思わず踏み込んでしまう
ような感じになってくる。気を付けてくれ、これでは脚が終わってしまう。自分の足と相談して、
ちょうどいいところで、少ない力でスピードの伸びを感じながら走ってほしい。
そんなバイクになっている。