ジェフ・ベック・グループのBBCラジオ・ライブと言えば第二期のステージを捉えた『BBC IN CONCERT』が最定番音源としての座を揺るぎないものとしていますが、ロッド・スチュワートやロン・ウッドが在籍していた第一期にはさらに積極的にBBCラジオに出演していました。中でも1967年はグループが結成されたばかりということもあり、売り込みを兼ねて複数回のスタジオ・ライブをBBCで残してくれていたのでした。
とはいえ67年のJBGはドラマーがなかなか固定しないというジレンマに悩まされ続け、中でもグループ・ショットの撮影にまで参加しておきながら、エインズレー・ダンバーの在籍期間は半年にも満たないものでした。そのせいで67年のJBGは音楽の方向性的にも定まっておらず、まだアルバムのレコーディングすら行われていなかった年の試行錯誤ぶりが結果としてBBCのラジオ収録に捉えられたことで非常に貴重な記録が残されることになったのです。
それら一連の67年BBC音源に関してはスコルピオの名盤『RETURN OF THE AXE MURDERER』で初めてまとめられ、ビートルズやローリング・ストーンズなどと同じように多くのBBC録音が残されていたことを知らしめてくれたのでした。さらには1980年代半ばになってBBCが60年代アーティストのBBC音源を積極的に再放送してくれた音源を受け、全体的に音質が良かったことも名盤と呼ばれた所以。
その後スコルピオはJBG#1のBBC音源集の続編たる『STONE COLD CRAZY』をリリース。ところが大半の音源のピッチが狂っていただけでなく、マスターを作る際にDATのヘッドが劣化していた事を気付かないままリリースした挙句、終始キリキリとした高周波ノイズが入るという問題を抱えていたのでした。この現象は当時のスコルピオのリリースにおいて少なからず生じていた問題だったのです。ここに挙げた二つのタイトルはBBC特有のイントロに被るアナウンスをばっさりカットした編集という問題もあった。
以降JBG#1BBCの新たな決定版がリリースされることがなく、それどころか10年以上に渡って放置というありさま。その間に現れたのは『RETURN OF THE AXE MURDERER』いくつかのコピー盤という程度。ネット上での音源トレードが盛んになった21世紀を迎えるとファンによって改めてJBG#1のBBC音源をまとめたファイルが流通。古のスコルピオ盤では網羅されていなかった演奏を多数含んでいたとこで世界中のマニアを唸らせてくれたのでした。
当然このファイルを元にした『LOST EARLY SESSIONS』というタイトルもリリースされましたが、2006年のリリースらしくイコライジング過多な個所があったり、何よりピッチが攻め切れていないといった問題を抱えていました。その後マニア間でまとめられたJBG#1のBBC音源の集大成は改訂され続け、音源が50年を経過した昨今は量販店向けアイテムの格好の餌食となってしまいます。しかし、そこは詰めの甘い量販店向けハーフ系・アイテムらしく67年の出演分のみで決定版とはなりえない。
そこで今回はファンによるBBC音源の集大成最新バージョンを元に、なおかつ最新の決定版を目指して「GRAF
ZEPPELIN」が各音源を徹底的にブラッシュアップ。ピッチや音質にばらつきのあった67年出演分は特に徹底して整理を敢行。何らかしら欠陥を抱えたままだった過去のリリースとは比べ物にならない初期JBGのBBC音源文字通りの集大成が遂に完成しました。60年代のBBC音源らしくマスターが残っていない音源もファンによるエアチェック音源にて徹底網羅。
最初に申しましたように67年のJBGはとにかくメンバーも音楽の方向性も定まっておらず、なおかつベック自身が作曲を身に着けていなかったこともあってレパートリーの振れ幅がとにかく面白い。既に「Let Me Love You」や「I Ain't Superstitious」といった彼らの中核をなす曲が取り上げられている一方で、そのアレンジがまだ固まっていないのが新鮮。
それどころかフェイセズのレパートリーとなる「(I Know) I'm Losing You」のような明らかにロッド主導のカバー、さらにはバディ・ガイの「Stone Crazy」ではベックが途中で彼なりにソウルフルな裏声ボーカルを聞かせるなど、彼なりにシンガーになろうとしていた試みがまた実に面白い。
極めつけは「You'll Never Get To Heaven」。ディオンヌ・ワーウィックがヒットさせたバカラック・ナンバーをカバー。ここではベックのギター色が完全に後退して正調R&Bバラードとしてロッド主体のボーカルハーモニーが聞かれる。あまりにJBGらしかぬ演奏からスコ盤『STONE COLD CRAZY』においては曲名が「????」とクレジットされたほどでした。それに今となっては1月に亡くなられたベックと今月天寿を全うされたバート・バカラックの間接的な邂逅という貴重カバーにもなってしまった。
その点68年の出演分はドラマーがミック・ウォーラーに落ち着き、その上でアルバムのレコーディングやツアーも経験したことから正にJBG#1らしい力強いロック・サウンドが刻まれている。ツアーを重ねる内に生み出されたステージ用インストゥルメンタル「Mother's Old Rice Pudding」(後の「Rice Pudding」とは別の曲)をBBCの収録で披露してみせたのもその自信の現れ。
こうした貴重な音源や出演記録を丁寧にまとめ上げただけでなく、古のスコ盤『RETURN OF THE AXE MURDERER』の中核をなした80年代の再放送音源は60年代の放送と比べてトータルの収録時間が短い個所が随所で見られることから敢えてボーナス扱いという形でまとめました。そもそも現存するJBG#1のBBC音源をここまで徹底的にまとめたアイテム、さらに正確なピッチや曲順にてまとめ上げたアイテムは皆無でした。これぞ世界中のマニアが待ち望んだ「GRAF ZEPPELIN」入魂の決定版と言えるでしょう!(メーカーインフォより)
Wardourレーベルのオリジナルプレス盤。複製CDRではありませんのでご安心ください。
ジャケ、盤とも新品同様です。
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